2011年8月14日日曜日

2−7世紀の仏教遺跡、世界遺産アジャンター石窟へ

Aurangabad2日目の朝、レストランに6時50分に行くと一番乗りだった。洋食中心のビュッフェが客層を感じさせる。欧米からの旅行客が多いのだろう。

昨夜予約したアジャンター石窟行のツアーバスが8:30-45に来ると聞いていたので遅れないよう、8:20くらいにロビーに行きメインゲートへ連れて行ってもらう。10分、20分。来ない。昨日聞いた電話番号にかけるが出ない。もう10分してかけたら話し中になった。これは脈ありとさらにかけるとつながった。もう少しで着くから待っていてくれとのこと。それからさらに15-20分ほどしてようやくバスが来る。やれやれ、やっぱりインド時間。

バスに乗って料金400ルピーを支払い席に着く。一番後ろの真ん中。市街地を出るとだんだん周りが畑の景色。少しガスッたような空と丘らしい高台。どこかに似ている。そうだ、信州・蓼科だ。エアコンなしのバスで風を浴びながら進んで行くが、キンキンに冷やした冷房の中よりむしろ良いかもしれない。途中小さな街のようなところからオジサンが乗って来た。何か注文聞いて回っているみたいなので食堂か弁当屋のオヤジかと思ったが、僕の所へ来て言うにはついてから乗り換えるバスと入場料の徴収らしい。いつものとおりインド人の50倍の入場料を仕方なく払う。インド物価の現地給なのだからこういうときインド人扱いしてもらいたいものだ。

もう少し行ってトイレ&軽食休憩。そこでさっきのおじさんがこれから行くアジャンター石窟の説明を始めた。このおじさん、ガイドか!なるほど。
ようやくアジャンター石窟手前の駐車場に到着。ここから電気バスに乗り換え石窟へ行く。上高地とか乗鞍みたいなもんだな。
しかし長蛇の列でなかなか進まない。連休だからだろう、これもまた上高地みたいなもんだ。しかし違うのがこいつらのマナーの無さ。一列にならんわ、順番抜かすわ、で最後バスが来ると一斉に乗ろうとして半ばパニック状態。おいおい、こんなところで将棋倒しでケガなんてゴメンだぜ…。

押さず流されずなるべく自然体でいたら何となくバスの入り口に近づいてきて何とか乗れた。それにしても、ちゃんと列を作って順番に乗り込んだ方が早いしスムーズだし疲れない、ってことが、そういう経験のないこの人たちにはわからないんだろうなー。

バスが動きだししばらく行くと、待ちきれずに歩いて石窟に向かう人たちが結構いる。そのうち一部も人たちが僕の乗っているバスを止めて運転手に何か言ってたかと思うと、後ろに回ってハシゴを登って屋根のうえに乗り出した。後にどんどん人が続いてたぶん20人くらいを屋根に乗せてバスが出発した。全くなんて人たちだ。

ようやく石窟に着いてガイドがチケットを買いに行くのをしばらく待って、結局駐車場に着いてから1時間以上をかけてようやく石窟巡りスタート。最初にしてハイライトのNO1はイキナリ行列だが仕方がない。
でも外からも屋根の下部分に色が残っており壁画があった痕跡がわかる。靴を脱いで中に入ると壁画や天井画がかなりちゃんと残っている。ブッダにまつわる色々な場面のようだ。特に悪魔が蛇女になって誘惑する壁画は鮮やかに残っているし別の絵は法隆寺の壁画がモロにここから影響を受けているのがわかるものだった。
ここ天竺から、支那、朝鮮を経て飛鳥まで伝わったことが実感としてわかる。単に伝わっただけでなくもしかするとここの職人が長い旅を経て飛鳥に辿りついたのでは?と想像してしまうほどだ。何かすごく不思議だがインドと日本は大昔からつながりがあったことを実感する。そういう意味では西洋諸国よりも近い存在なのかもしれない。
NO2も壁画がすごい。彫刻が素晴らしい遺跡は他にも多くあるがこんなに絵が残っているところは珍しい。やはり1000年以上に渡って放って置かれて忘れられた存在になっていたのが大きいのだろう。コウモリとネズミなど以外に荒らす奴らが居なかったのだ。そういう意味では多くの観光客が来ている今は、劣化の危険性が大きくなっているということだ。確かに世界遺産として保護する必要がある。JICAなど日本の機関がそれに寄与していることは素晴らしいことである。
ガイドが次はNO.5へ行くから途中飛ばして来いと言う。仕方なくNO.5へ行くとこんどはストゥーパのあるヴィハーラ窟だった。ストゥーバも良いが周辺の壁画も良い。
次はNo.10へ行くらしいが途中もそれぞれに素晴らしく飛ばすのはもったいないので駆け足で見ながらNo.10へと向かった。No.10はNo.9と同じようなチャイティヤ窟だが発見者John Smithの落書きが残されている。

No.17はまた壁画がすごい。ガイドもかなり丁寧に説明するが、説明されると人が山のようになって写真が撮れないのであえて違う場所をゆっくり見ながら撮影する。

順番に駆け足で見つつ、最後のハイライトNo.26へ。ここにはSleeping Budhaがある。この涅槃像の表情が何とも言えず良い。
魅了されてしばらく見ていたが、このあと真っ直ぐ入口に戻ってレストランで食事をしろと、ガイドからの指示。No.5まで途中飛ばした窟を急いで入ってみてレストランへ。
連休だから仕方が無いのだが、これだけの像と壁画の宝庫なので、一つ一つもう少しゆっくりしたかった。もう一度普通の週末に来てみてもいいかもしれない。

レストランでThaliを食べた後、帰りの駐車場までのバスも大行列に。できるだけ早く並んたつもりだったが、僕が駐車場についてバスに乗り込んでからも帰ってこない人がいてなかなか出発しない。結局1時間くらい待っただろうか。まあこっちも最初から諦めて本を読んでいたので何てことはなかったが。結局ホテルに戻ってきたのは8時を過ぎていただろうか。

昨日と同じホテルのレストランで食事をするのも面白く無いし、と思っているとバーが目に入った。聞くと簡単な食事ならできるそうだ。入って注文したバターガーリックプロウンがおいしく、ついお酒もオカワリしてしまった。

0 件のコメント:

コメントを投稿