2011年9月2日金曜日

インドの信州、ラダック地方を旅する-その3

今日は4つのゴンパ、ラマユル、リゾン、アルチ、リキールと回る予定で、時間がかかることも予想されるため7時半にホテルを出発した。
なぜか今日は昨日のマヒンドラではなく、トヨタの古いQualis
今僕がムンバイで普段乗っているInnovaの前のモデルで、インドネシアではKijangという名前で有名な後輪側が板バネのトラックベースの9人乗りのクルマだ。

後席に乗って腰が痛くなるのは嫌(昔ジャカルタ出張で経験あり)なので助手席に座る。
Lehの市街地を出ると空港の横を通る昨日とは違う道を行く。空港も空軍の施設だがその痕も基地が色々続く。本当に基地の街という感じだ。
インダス川に沿ったり、上へ上がったりしながらもクルマは順調に進む。

途中Basgoという街までは時々工事中の場所はあるがそれ以外はほぼ舗装路で順調に来た。しかしその後アルチゴンパへ行く道との分岐以降になると、
単に舗装工事というのでなく、インダス川に這い蹲るように付いている道が崩れて塞がっているのを復旧しているかのような工事で、道の端ぎりぎりを走られると川の藻屑となりそうで、かなりビビる。
でもそれはまだ序の口だった。

Khalsiというところでパスポートチェックがあり、いよいよラマユルゴンパへ向かい山道を登り始めて10-15分くらい経っただろうか。
片側交互通行なのか、クルマが並んでいる。しばらく待っているが動きそうにない。
どうやら工事中でひと段落するまで通れないらしい。仕方なく待っているが10分経っても20分経っても進まない。


結局45分くらい待ってようやく進んだ。やれやれさすがはインド。
でもこうなると4つ回るのは苦しくなってくる。どれを落とすか?

3時間45分かけてようやく着いたラマユルは、ゴンパとしてはそれほど見所がなかった。到着寸前のMoon Placeと呼ばれる不思議な月世界っぽい眺めがハイライトか。


帰りもどうせまたなかなか通れないだろうことを予測し、食堂で早い目のランチとする。チベット料理、モモ(餃子)とトゥクパ(スープ麺)だが、一昨日のと同様の白湯っぽいスープでなかなかいけた。
出発してしばらくMoon Placeのあたりで列が。やはりまた待たされるらしい。せっかくのなので月世界の写真をせっせと撮りながら待つ。またまた45分、ようやく動いた。

さてこれで完全に4つ回るのは無理。今回のハイライトであるアルチを優先させることを決め、ドライバーが色々言っていたが「とにかくこのままアルチへ行ってくれ」と走らせた。
またも途中工事中のダートが多数あるなか何とかアルチに着いた。ラマユルを出てかれこれ2時間20-30分。あの工事がなければ1時間半-45分程度だったってことか。


クルマを降りゴンパへ向かうが周りには土産物屋しかなく、いったいどれがアルチのゴンパ?とゲストハウスっぽい入り口をくぐるとストゥーパが。どうやらここらしい。
しばらく行くと三層のちょっと古い木造の建物が。いきなりハイライトのスムツェクらしい。すばらしい壁画を撮影されてもらおうと思っていら、「Camera is strictry prohibited inside」だって。
他のゴンパはフラッシュ禁止だけど撮影OKなのに残念。

その分目に焼き付けようと中を見回すと、極彩色が剥げ落ちた仏像たち、同じく極彩色が剥げてきた壁画、そして上の階層の壁画、なんかギリシャっぽい柱などこれは他にはない。
何回も見ているうちに中心のストゥーパを3周していた。インド人の女性2人組みは狭いのに瞑想を始める。ポーズがちゃんと仏像らしく手をちゃんと構えている。さすがだ。
他の堂も全て11-12世紀くらいのものらしく壁画が素晴らしかった。これから見ると他のゴンパは割合最近描いた絵という気がする。

そしてストゥーパの下側にくぐれるところにもぐってみると、ここにも壁画が。ここは別に撮影禁止と描いてないのでしっかり撮らせてもらった。
裏に回るとインダス川がとうとうと流れている。周りは高い山々。ここもまた素晴らしい場所だ。

アルチを満喫して次のリキールへ。また幹線に戻り、ところどころの工事中はあったものの割合順調に来た。ここリゾンの立地も素晴らしい。他のゴンパも山々に囲まれて山上に位置するものが多く眺めが良いのだがここもまた良い。

今日はまた一段と青空が青々としていて山とのコントラストが素晴らしい。たぶん写真もそういう風に写ってくれているのではないだろうか。
屋外にある大きな座っている仏像は修理中らしく足場がかかってしまっていた。色はここまで派手ではないが山梨の大月をちょっと思い出す。
堂もいくつかありそれぞれ悪くなかったが、青空と山とのコントラストに一番見とれてしまった。ゴンパと山と空を一緒に入れた写真をたくさん撮ってしまった。

駐車場に戻るとドライバーさんが社内をお香で焚いていた。クルマを清めるためだろうか?それとも香りを良くするためだろうか?
そしてかけていたテープを切るか?と聞くのでそのままで良いよと言っておいた。何音楽か聞くとチベット音楽だそうだ。
確かにインド音楽とはゼンゼン違って、何か懐かしい感じ。歌もインドのお姉ちゃんのやたらキンキンしたぶりっ子発声ではないし、
フォーク調だったり民謡調だったり、ポップス調だったり色々するが、なんか沖縄っぽい、タイっぽい、そうアジアのつながっている音楽。
インド音楽はその流れから切れているんだな。チベットはやはり東アジア文化にちゃんと連なっていることを実感。
そうやってチベット音楽をかけながら東富士演習場みたいな基地を通り抜けていると、何かここは沖縄に似てるかも?とも思ってきたりする。
お寺は派手だし、最前線で基地の街。兵士はよそ者。(ここは地元のチベット系に対しインド系、沖縄はウチナンチュに対し米人)

ほとんどクルマですごしたような一日だったが変化する山と川、大地の景色に飽きることはなかった。
北アルプスなどを眺めることが好きであれば、ここラダック地方はたまらないかもしれない。 

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