2011年6月11日土曜日

ル・コルビュジエが都市計画をまとめたチャンディーガルへ

金曜日までのデリー出張にくっつけて、土曜日にデリーからチャンディーガルを往復。4月にも計画していたが飛行機が欠航となり断念していたのを、もう一度計画し実現。でもモンスーンシーズン前の一番暑い時期で、いやー暑かった。

往復なのでデリー空港でコインロッカーみたいに荷物を預かるところを探したがどこもなし。仕方なく機内へ持込チャンディーガル空港でも探すが一緒。インドはなかなか荷物を預かってくれるところがなく不便だ。仕方ないので夕方までクルマを借りることにしてクルマに大きな荷物を置いたまま街を回ることにする。

案内の参考は神谷武夫さんのホームページ。この人はインドの建築をすごく研究されていて参考になる。思わず著書をOCSに発注してしまった。

”ホンダシティ8時間2100ルピー”という業者の案内に、「もっと安いクルマは?」と探して結果TATA Indica8時間1050ルピーで決着。一人だしそんな距離乗るわけでもないのでこれで十分。

ドライバーさんにまずはセクター1の議場棟、行政事務棟、高等裁判所へ行ってもらう。もっと都会的な場所を想像していたが、原っぱの周りに建物がポツンポツンとある感じ。意外。

オープンハンドの彫刻は想像していたよりずっとでっかくってビックリ。こんな大きなのが風で動くの?? でも複雑なインドをひとつの手にして国家としてやっていこう、って感じがする。


議事棟方面へ歩いて行くと、ガードマンが「どこへいく?」と案の定声をかけてきた。「建物を見たい」というと「OK」と入れてくれたので取りあえず歩いて近づいていく。これも近くで見るとエライでかい。機能的で直線的な造形にアクセント的に屋根のカーブやその上の給水塔(?)が乗って面白いカタチになっている。前に水が張ってあってその向こうに建物が見えているのが何か谷口吉生の豊田市美術館を思い出させる。行政事務棟はさらにでかく、これも機能的な造形にアクセントが入った感じ。コンクリート打ちっぱなしと言い、この感じって安藤忠雄の兵庫県立こどもの館とか淡路夢舞台とかに何かつながってるよな、って思う。

ダメもとで「中へ入れないか?」聞いたが、「第2土曜日(役所は休みの日)だから」とか何とかで入れてはくれなかった。「カメラも禁止だ」を言われ思うように撮影もできない。ここまで来たのに、と思いつつも仕方がない。仮想敵国である隣国パキスタンと接しているパンジャーブ州は神経質なのだろう。



高等裁判所に戻り外観の写真を取りながら近づいていく。これも「入れないか?」聞くと「ここからはダメ、反対側へ回れ」とのこと。

まああまり期待はせず反対側へ回ったがやはり入れなかった。ここまではかなりの興奮状態であまり疲れは感じなかったが、持っていた水はどんどん減っていく。


次にすぐ先にあるロックガーデンまでクルマにわずかに乗って行く。「個人が作った庭」という情報だったので、それほど大きくはないと思ってたけどひと通り回るのにたっぷり1時間はかかる巨大な場所だった。ここはネック チャンドという人が都市建設で出た廃材などを集めて作った場所らしいが、なんかもうちょっと普通じゃない、アーティストの魂が感じられて意外なほど良かった。例えるなら”ガウディ+ニキ・ド・サンファル+日本庭園”と言った感じ。自分の表現したいことがすごくありながらも自然との調和は忘れていない、東洋的な文化を持ちつつ天才が作ってしまった、という感じだ。ここはここでMust Visit Place。


予想以上に時間と体力を使ってしまったので、セクター10にある美術館へ向かう。そこには外壁の色こそ違うが、日本の国立西洋美術館に酷似した建物が。そしてそのとなりには都市計画の歴史について説明している施設City Museumもあった。(これもコルビュジェ建築だった) 少し休憩がてらまずは最上階にあるカフェテリアで昼食にする。「Noodle」を頼んだらほぼ日本の焼きそば(塩味)そのものでなかなかイケる。一息ついてCity Museumへ。木の植え方までデザインしていることを知り驚いた。



美術館は中の2Fへ上がっていくところなど含め、建物は西洋美術館そのもの。だけど展示物はインドの物というのがなんか面白い。西洋美術館の中に仏像とかヒンズー教の神様が並んでいる。ただどの建物もそうだけどメンテナンスが行き届いているとは言えず、これはインドどこでも同じだがせっかくの近代建築の重要な財産なのだから大切にして欲しいものだ。



隣のアートスクールの周りもグルッと回って、セクター14のパンジャブ大学へ。ピエール・ジャンヌレという人が設計したガンディー・バワンを見る。曲線も多く、直線基調が多いチャンディーガルの中では異質か?


そろそろ時間がなくなってきたので空港へ向かうことにする。しかし街はかなりでかい。もっと小じんまりとした都市を設計したのかと思っていたが、今日ほんの一部しか回れなかったところからもその大きさがわかる。

暑さにかなりバテてしまったが来て良かった。今度来ることがあればもう少し涼しい季節(10月以降?)で一泊してみても良いかもしれない。

写真

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