2011年6月19日日曜日

書籍「南アジア社会を学ぶ人のために」

NHKが放映したNHKスペシャルを元に編集した「インドの衝撃 (文春文庫)」を初めとして、インドの急速な経済成長を書いた本は多い。
-->NHKスペシャル動画

しかしこの国へ来てみると、よくわからないこと= 人に仕える仕事をする人との接し方、ほとんどみんながお見合い結婚、意外と転勤を厭わない、etc が多くあり、それらの背景が何か?と疑問を持つと、この国の文化、宗教、歴史などについて多少は理解しないと、わかってこないのである。

そういう中、入門書として役に立つのがこの本。様々な社会制度、宗教などについて事例を持って紹介してくれていて基本的な理解の助けになる。

・南アジアの人びとーー個と集団
・南アジアの社会ーー信仰・権力・富
・南アジアのポストコロニアル状況
・グローバリゼーションのなかの南アジア

多数の研究者がこれらの章の中の各節の執筆を担当しており、広く基本的な理解をするのに役立つ。
さらに深く調べたい時のも、それらの節の執筆した人の著書などが参考図書として「基本文献リスト」として巻末に記述してあり便利。

これを読んだからといってインドがわかるようになるわけではないけれど、「あっ、このことの背景にはあの考え方があるのかもしれない」、とか「彼らのこの行動の基本原則はこれに乗っ取っているんだろう」など、観察しつつ推測を張り巡らせるのには助けになる。
インドに駐在される方、されているけれどまだ読んでおられない方、ぜひ一読をお勧めします。

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